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大道将棋

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将棋と言う勝負事と勝てると思う心に潜んだ天狗になりたがる人の心理を巧みに利用し、少し悪知恵を働かせた大道の職人。国内では囲碁に比べ将棋の愛好者は大勢いると思います。庶民の娯楽の一つで歴史もあります。この将棋にまつわる「プロ棋士」になることのできなかった横丁の職人(大道棋士)の話です。

何だか判らない方の為に将棋講座ではなく、将棋で生計を立てていた人々の話なのです。将棋の道へ入り普通なら昇段試合を勝ち進み、プロ棋士の道を歩み賞金を稼ぎ出し生計を立てるが本当の棋士なのですが、同じ棋士でも楽して儲けようと考えるものが出てきます。

昇段試合も途中で、いつも敗退し振り出しに戻される。これに嫌気が差して、協会(流派もある)から飛び出していってしまう。ところが、技術と言ったら将棋しかないですから普通のように職に就けない。そこで考えたのが、一般の人との「賭け将棋」もともとはプロの端くれですから素人との勝負は不可能です。

ここで将棋の話、普通は対局といって向かい合い交互に駒を進めて勝敗を決めるのが勝負です。これとは別に「詰め将棋」と言うものがあります。これは、勝敗とは違いパズルのような要素を含んだ将棋の勉強のようなもので、勝敗ではなく「詰める※解ける」かなのです。

では、どうやって人のお金をくすねるかと言うと「さくら」がいて、まず、簡単な詰め将棋をとぼけて棋士と交互に指す。そして、簡単ですからすぐに詰めることが出来、棋士から商品の煙草をもらう、すると、棋士も強いですねとか何とか言いながら声高におだてる。その頃には、人垣が出来ていて野次馬が沢山集まっている。

次に出された問題を、解けないとぼやきながら考えていると誰とも無く、口を出してくるのが出てくる。もうしめたものでここからが技術の冴えを見せつけるところなのです。詰め将棋も交互に指していくものですから、一手二手と勘定します。普通の詰め将棋でも少し強い程度の一般の技術ではせいぜい二十手が限度です。

一見、すぐに詰められそうに見えるところに「罠」があり、素人ではとても読みきれない複雑な手順の手筋を知らないととても詰めることの出来ないものなのです。最初に「さくら」になっていたものが商品を貰っているから警戒心が無く、将棋板で隠され少し見えている程度のところの「一手?円」と書かれたものなど誰も気が付かず。

解けないから、降参すると法外な金額を「指南料」と称して請求するという仕組みです。客が文句を言うと、一変して脅してくる。大騒ぎになるから警察もくるが例の将棋版の下に書いているからどうしようもない。しぶしぶ支払うこととなる。こんな繰り返しをしながら生活していた懐かしの「職人」でした。

これは、昭和四十年代にも上野や浅草、池袋と言った人が集まり通行の多いところに残っていましたが、この頃のものは、いんちきな賭け引きはなく何手で詰めたら商品の何々と言った具合でゲームのような感覚で行っていて、対局料も一回三百円~五百円程度の「手数」ではなく一回の定額になり、野次馬も含め大勢の将棋天狗が挑戦していて何か昔とは違った和やかな雰囲気で行っていました。

筆者、将棋はあまり打たないのですが、よくもこれだけの「詰め将棋」を知っているなと思うくらい難しい手筋の詰め将棋を出題し、挑戦する人たちほとんどの人が降参していました。

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