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たった数枚の紙に描かれた物語

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紙芝居 たった数枚の紙に描かれた物語。子供の心にどれだけ想像する力を付けてくれたか計り知れない。 自転車の荷台にすべてを積んでやってくる、下町の移動劇場。 カーン、カーンと拍子木をたたく音、懐かしの紙芝居のおじさんが現れたことを示す合図です。頑丈そうな自転車の荷台に実に効率的に作られた大きな箱を積んで現れる。場所はある程度決まっていて、私の住んでいた所では路地裏のちょっとした空き地の一角などが定番でした。 拍子木の音につられ、どことなく子供が集まってくると、まず、駄菓子の販売から始まる。ここで販売される駄菓子は紙芝居のおじさんのタイプによって販売するものも違っていた。

共通の人気商品は、ソース煎餅とその煎餅の間に水あめを挟んだものが人気であった。一枚を半分に割りウサギの耳のように見せかけたものが少し値段も高かった。とは言うももの大体の値段が五円、十円の世界で子供には十分満足していた。 ソース煎餅の名の由来は薄焼きの煎餅に本当にソースを塗って食べていたのでそのまま名前が定着したようです。でも、その当時ではとてもおいしく感じていましたね。少しお小遣いに余裕があると「すもも」を買ったりしていました。 ひとしきり子供相手の商売が続き一通り「観客?」が口をもぐもぐさせているのを確認すると、今度は「ドラ」をたたき、いよいよ待望の紙芝居の始まりとなります。

出し物も大体決まっていて定番は「黄金バット」「鞍馬天狗」「月光仮面」「赤同鈴之助」のうちの二話と「とんち問題」で終了となるのですが、この時代のおおらかなところは子供は大勢集まるが、当然、何も買わないチャッカリ組みもいます。おじさんは追い払うことなどしません。 「何も買わない子は後ろだよ」と声をかけます。 まだ、小遣いをあたりまえのようにもらえる子供ばかりがいる時代ではありませんでしたから、たとえ、買う子供の数が少なくとも同じように声をかけてから始めてくれました。 おじさんの白熱した声色を取り混ぜた語りと絶妙のタイミングで画面展開を行う、見るほうも完全に物語に入ってしまっている。確か、一話六枚くらいしか無かったと思うのですが、子供ながらに時間を忘れ興奮したものでした。

最後に絵解きの「とんち問題」で締めくくりとなります。 このとんち問題に正解すると、ご褒美に何かもらえるためずいぶんがんばりました。紙芝居はテレビやビデオと違い、動きの無い、紙に書かれた絵で「想像」の世界を堪能できた想いで深い娯楽でしたね。 一部では紙芝居復活の兆しなどもあるようですが、白熱した語りと演出はなかなか出来ないようです。この紙芝居も過去の楽しかった時代の想いででしかなくなったのは、それだけ自分自身、年を取った証拠かもしれません。 ※紙芝居の商品メニュー、ソース煎餅、水あめ、梅ジャム、すもも、酢大根、型ヌキ、あんこ玉 ※紙芝居の芝居原画、後でわかったのですが、作成と貸し出しの版元のようなところが存在して、そこから借受して使用していたようです。また、この中の職人仕事で紙芝居の絵師もいました。時代の変化で娯楽もテレビが普及しだすと共に紙芝居に関わる商いをしていた人々は姿を消してしまいました。

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