東京都内に「川の交差点」と川の水位調整のエレベーター、「閘門」と呼ばれる場所があります!?


 皆さん川のエレベータがあるのをご存知でしょうか? この話を書いている私自身も仕事で同行した時にこのことを初めて知り、実際に体験して初めて知った次第です。それも場所は何と東京都江東区にあるのです。時間的には18年ぐらい前に遡るお話になります。

 世界的にもランドマークとなっている皆さんご存知の「東京スカイツリー」に関わる観光事業のお話になります。当時、まだ建設予定地は、更地でまだ何もなく何が出来るのかも分からない状態でありました。さらに年数を戻った話で1990年代、当時は某セメント製造会社が稼働していました。

 その当時の私の職業は某ドーナツチェーンの運営担当(スーパーバイザー)を仕事にしており管理対象だった店舗の常連さんが、該当する会社の社員でいつの間にか会話を交わすようになり、そこで聞いた話が近々ここは別の場所へ移転するのだと聞きました。移転先までは聞かなかったのですか、気になるのはその後に何が出来るかでしたが、さすがに社員と言えどもそこまでは分かりません。当たり前ですね。

 そんな話を思い出しつつ時間が過ぎ前職は退社し、しばらく千葉県を中心にフリーのシステムコンサルタントを行っていました。そんな時、ご縁で活動拠点を墨田区へ移動する機会を頂くことが出来、そのままに今に至っております。
そこで器用貧乏で小さな会社ですが墨田区の色々実務的な知識を持っていることから「観光事業開拓」と言う依頼を頂き参加することとなりました。

 その一環で聞いたのが「東京スカイツリー建設」に関わる区内の観光事業開拓として河川を利用した観光の実情調査でした。始めはハテナマークが沢山頭に浮かび何をするかの予想も全く頭に浮かばないままに計画は進み、初回の調査当日を迎えました。参加メンバーは総勢、12人。墨田区、江東区、品川区、東京都の色々な方々の混成メンバーで品川駅に集合でした。

 何故、品川駅?ですね。協力してくれる船会社がこちらにあり、調査で出してくれる「調査船」もこちらに停泊しているためでした。船と行っても特殊な本当に調査船です。胴体が二つある「双胴船」で甲板部分はフラットで手すり等は無く、1メートル間隔にあるポールにロープを張ってあるだけですので非常に危険です!?

 そのフラットな甲板(かんぱん=船上)に長椅子をいくつか並べてあり、それも固定などされていませんので大きな波が来ると動くので、のんびり眺めてはいられません。社名は書きませんが大きな観光船や色々な船を沢山持っている会社でこの日のために、船長が舵取り、もう1人が監視役になり操船でしてくれるのです。

 品川から東京湾に出て、ゆらりゆらりと出港しました。私は撮影係もしていましたので船首の位置に陣取り撮影です。ちなみに「救命胴衣」などはありません。すべて自己責任で参加者は乗船していました。非常に長い前置きになっていますがお付き合いください。

 このときに撮影した写真は相当の枚数がありましたが、ここでは掲載出来ませんのでお話で済まさせて頂きます。海側からベイブリッジ、お台場、築地を海側から眺め観光気分も少し感じながら目的の所まではスピードは出ませんので時間ははゆっくりと進みます。

 やがてビルや倉庫が沢山立っているどこかも分からない水路へ入っていきます。この当時、携帯にナビなどありませんのでどこだか正確な位置がわからず監視役で水路案内人の副船長にそのたび位置を教えて頂き資料に書き込んでいきます。全く計画のない水路調査?で行き当たりばったりの移動ですが皆でワイワイしながら本当に楽しかったです。

 しかし、船長はきっちりと時間と潮の干潮をきちんと頭に入れてありこの時間だとこちらの水路から出ないと通れないからと進路変更しながら進んでいきます。そして、水路を変えたことが皆に分かるようにギリギリの所を通過して体感させてくれたのが座っていても頭をギリギリまで下げないと通れないところ通るのです。

 その時は通過する前に船を止めて設置されている唯一の防護柵であるポールを皆で取り外しとにかく突起部分を取り払わなければ通過できない。皆頭を下げてギリギリで橋の下をくぐっていくいい大人のワンダーランド体験もさせて頂きました。このときに携帯用のナビゲーションシステムがあったらなとつくづく感じました。(後にオーダーメイドで自前の携帯ナビを購入しました。ものすごく高かった!?)

 夢の島を周りながら荒川に入りしばらく走り次の本日のメインイベントのアトラクション「荒川ロックゲート」の「閘門」に向かいます。しかし参加している中でも「閘門」を知っている人は誰もいませんでした。私もこの閘門の存在もこのときに初めて知りました。話は飛びますが、スエズ運河は知っていても水位の調整を大型のポンプで調整している物と思っていた程度の浅はかな知識レベルでした。

 実際にこの「閘門」を目にし体感したことで、この仕組と地球の不思議というかあまりにも身近にある事も含め驚きの連続でした。ちなみにこのときは持ち物に傘など持っていませんでしたから、言うまでも無く参加者全員かなりの水浴び状態になりました。それは何故か?

 閘門に入っていくとき入口に当たる大きな水門が上に上がっていきます。上がりきるのを確認して、船は前に進みます。しかしです。上がった水門からは多量の水が大雨のように流れ落ちていますが止まることもなくそのまま進みますので逃げ場もなく只々シャワーを浴びる状態で、それも舳先(へさき)に陣取っているので一番落水がある状態になるので私はカメラを体で保護し背中はびしょ濡れとなりました。

 このときに水位の変化はありません。同一の状態で船は進んでいきました。落水の洗礼を受け船は進み入ってきた水門は閉まっていきます。そして進行先の目の前にはもう一つ同じ水門があります。ちょうど船が「生け簀※いけす」の中に漂っているような状態を思い浮かべてください。

 しばらくすると大きな音と共に船が水面もろとも1メートル以上は上がり始めます。見ると進行方向の前にある水門が開き始めています。私個人かも知れませんが頭に浮かぶのは「ポンプ?」で水をコントロール? とんでもない馬鹿な考えでした。水位の差があり進行先から水が流れ込み今度は進行先の水位と同じになった状態だったのです。

 そしてまたも、入ってきたときの同じに水門から落ちてくる水の洗礼を受けるのでした。時期的には夏の終わりだったのでぬれても体が冷え込むような事も無く皆さん、笑って楽しんでいました。それにしても都内で水位の差があるなって信じられません。この閘門を通り抜けてしばらく進むと今度は「川の交差点」と呼ばれる小名木川と横十間川が直角に交差する「川の交差点」があります。


 ここには「クローバー橋」と言う名前の陸橋が交差するように掛けられて江東区の猿江、大島、北砂、扇橋の4区を結ぶ全国的にも珍しいようです。そしてここで昼休憩、この川の交差点のすぐそばに船の係留所があり船を係留して皆ですぐそばにある「江東区スポーツ会館」の中で一時を過ごし、今度は横十間川をから細かな普段行かない場所の川の散策を行い錦糸町近くの船着き場で下船し船長と副船長に挨拶と次回の予定の約束し第一回目の調査は解散となりました。

 この調査は後に2回ほど行い私自身忘れかけていましたが、その後何回か実際に墨田区の観光事業として限定で実際に開催されました。そして驚いたのが記憶の裏付けに調べていたら何と今は正式な観光事業として事業化されていました。品川区でも同様に観光事業として行われています。調査の成果が実を結んだのかな!!

追記

 その後、何回か他の場所を回ったり今はコースとしてなくなってしまいましたが両国から出ている観光巡りの船で2ヶ月に一度しか出ない両国で乗船し隅田川を下り、今度は荒川をのぼり赤羽で折返して隅田川の上流から両国へ戻ってくる1日で回るコースがあり、これに乗船しすべての橋の写真を撮る仕事も行いました。

 こちらは東京都と墨田区の方と一緒に写真撮影を行い、後に東京都が主催する写真展に出品し「佳作」の賞を頂いたことがありました。川に関わるお話として思いだしつつまとめて見ました。

参考:閘門(こうもん)は、水位の異なる水面をもつ河川や運河、水路に設けられる船を通航させるための施設。異なる水位間に水位が変化しうる一区画を設けて区画内の船を上下できるようにした設備を水閘、水閘を区画するための界壁を閘門という場合もある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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