カルメ焼

 

砂糖菓子が続きます。「カルメ焼」皆さんご存知のサクッとした歯ごたえ、口の中でサッと溶けて無くなり、なんとも香ばしい香りが鼻に抜け甘みが舌にのこる。はかなく消えてしまう縁日の芸術的な和菓子です。香具師の方に聞くと最後まで気が抜けない、全て培ってきた「目」と「鼻」からの見極めで出来上がりに差が出てしまうと言われていました。

 

 

材料は「ザラメ糖」と「重曹」、「水」、そして銅で出来た小型の「平鍋」に輪っかになった鍋置きが全て、こぢんまりした設えで営業できる。しかし、「技術」を習得するのにはそれなりの時間と熟度を必要とする。さりげなく淡々と作っているが。煮詰める度合い。泡立ちの状態。最後に重曹を入れるタイミング。かき混ぜ方。等々、実際にやってみた経験からの感想です。

 

我流では、まず、まともな物は一つも出来ませんでした。何より出来損ないばかりが出来てもったいないからと、自身で食べて見ても「おいしくない」ただ、甘いだけの砂糖の塊でしか出来ませんでした。しかし、教わる人もいないのでスーパーなどで売っている「カルメ焼」を買ってきて食べてましたが見た目と形はカルメ焼ですが、味や食感は全く別物でした。

 

ある日、創業100年以上の和菓子の有名店を経営されているご主人に、この話をしたら、笑われていました。そして、素人が簡単に見よう見まねで作れたら商売にはならないでしょうと言われました。そして、平鍋の話でアルミの鍋では絶対に無理とも言われました。和菓子屋の鍋が何故、今でも「銅」の物を使っているかが重要とも言われました。

 

「銅」、すぐに思いつくのは「熱伝導」の良さしか頭に浮かないですが、しかし、もっと奥が深いのです。この部分に昔から「口伝」で伝えられている「科学」であり、長く使うための「技術」が沢山、込められているのです。熱伝導の良さは皆さんもご存知でしょう。「銅」は柔らかいため、使っているとよく当たる部分が薄くなり、長く使うと場合によっては穴が開いてしまったり、熱の当たりが変わってしまったりします。

 

「銅鍋」は「補修」して使うことが出来るのです。別のコーナーで「鋳掛屋※いかけや」の話を書いていますが、銅鍋にかぎり現在でも鋳掛屋さんがいることを教えてくれました。
壊れたり、変形した銅鍋をほぼ新品に近いくらいに補修出来る技術です。実際に補修した鍋を見せてもらいました。

 

餡子を炊く銅鍋の底と鍋の立ち上がり部分がすり減ったので、取っての付いた胴体の中心から上の部分だけを使い、中心から下部の鍋底やすり減った部分を切り取り、新しい「銅版」で接ぎ合わせて新品のように元通りにしてしまう「職人」の技術に改めて驚かされました。