防犯

向こう三軒防犯ベル?

 

昭和30年代の荒川区日暮里町は住宅は多く路地ばかりでした。車の通れる道路は限られており、少し裏の道に入ると出るのも一苦労する本当に細い道が多かったです。しかし、子供にはうってつけの遊び場でもありのんびりと過ごせた下町でした。そんな所へ「防犯ベルの設置」の話が持ち上がり、子供ながらに興味津々、意味も分からず何やら見たことのない装置が我が家と近所の親しい家2件に届いたのです。

 

しばらくすると作業服を着た電気屋さんが何人かで色々、家の中に配線を行いテストをすることになり、家族全員で立ち会い操作方法?の説明を受けるのでした。確か、家の中に何カ所か「スイッチ」が取り付けられていて、「非常時」に押すように促されていたような?
要は、何かあったらこのスイッチを押すと近所(2件)に繋がっている線で「ブザー」が鳴る仕掛けになっているのです。

 

今もって、何故に付けたのか疑問を残したままに一度も使われることもなく、高校生で電気の知識を持っていたので私が取り外した謎の装置でした。まあ防犯装置ですから使わないことに越したことはないのですが、何の事件もなくのんびりした下町への「転ばぬ先の杖」的な営業で導入したのかも知れません。

 

取り外し分解してみて驚き、コレが「防犯商品?」と思えるほどに「ブザー」が入ってだけの箱と色々な線を繋げるための「接合器※ターミナル」そして「ランプ」でした。推測するに当時、訪問販売や町会の顔役の人の紹介、等々、商売の形態も情報が不足している分「あの人からの紹介」には非常に弱かった。疑ることを知らない、純真な下町の人々と繋がりです。良いのか悪いのかは判りません。しかし、互いの信頼関係はとても厚かった下町人情の世界は助け合い精神で成り立っていたことも事実でした。