海ほおずき

 

 夏の縁日、色取りよく大人になってからの感覚で表現すれば涼しさを表現した「庭」に見えます。子供ながらにも夜の見た目はひときわ輝いていました。

 

 透明裸電球とカーバイトを使った炎の明かりの、半々で構成されいた当時の縁日の照明です。カーバイトとは、白い石のようなもので水に入れると化学反応を起こしアセチレンガスが発生する。このガスを燃焼させて照明の代わりに使用していました。

 

 海ほおずきの棚には、苔の生えた色々な大きさの石や大きな貝殻、巻き貝の中に色とりどりに着色された「海ほおずき」が並べられている光景は本当にきれいでした。時折、噴霧器で水の霧を吹きかけつややかに見えるように、手入れを常にしてある。

 

 お客の目を引くため、お店の人が口に海ほおずきをほおばりブー ブーとならしながら、通りすがりの人たちに使い方や鳴らし方の説明付で、人寄せし販売していました。

 

 浅草の「ほおずき市」で、海ほおずきを販売している露店を見かけることがありました。販売している人が若い方だったので珍しいなと思い、写真撮影と少し話を聞こうと話しかけて見たら色々経緯を説明してくれました。

 

 何でも沖縄に住んでいるお爺ちゃんの家の物置で見つけた段ボールに大量に入った物を発見、初めはなんだか判らずお爺ちゃんに聞いたら「海ほおずき」と言う昔の物だと話を聞いたそうです。

 

 珍しい物だから東京へ持って帰って色々調べ、今日の縁日に来たそうです。しかし、正直なかなか売れないと言ってました。年寄りの方たちは珍しいと近寄り声を掛けてはくれるが、購入までには至らないそうです。

 

 販売している「海ほおずき」の色合いも昔のような色々な色はなく、非常に限られた色物しかなく、ふと気がついたのは「口に入れる=食品衛生法」がすぐ頭に浮かびました。
昔は正直、縁日に保健所等の規制はなかった時代だからこそ出来たこの情景も過去の物となってしまっているのです。

 

追記:海ほおずき(うみほおずき)

 

 巻貝の卵嚢(らんのう)のこと。植物のホオズキと使用方法が似ており、かつての日本ではグンバイホオズキ等の卵嚢が、口に含んで音を鳴らして遊ぶ使い捨ての玩具として縁日や海辺の駄菓子屋で売られていた。

 

 また、江戸中期(※すでに元禄年間には)頃には遊女が同様に使用していた様子も当時の風俗を記した絵巻などに散見される。古民具や骨董品の中には卵のうが持つ鼈甲や琥珀にも似た褐色半透明で弾力があり加工しやすい材質を利用して庶民の笄(こうがい)や簪(かんざし)の装飾材料としてそのままの形状や加工品に用いられたものもまれに見かけられる。

 

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