昭和の縁日 技 「拡大機(現在 伸縮自在器)」を掲載しました。

 「拡大機」とは何か? 多分マニアックな方しかわかないと思います。今は印刷物や写真、絵、等々、いかようにも拡大することが簡単にできる時代です。

 平面から立体の物までスキャンでデータにすれば拡大、縮小が自由にできるすごい時代になりました。このアナログの拡大機とは何をするためにあったのか、またなぜか縁日で売られていたのです。

 遠くから見ても目立つ、壁一面の有名女優や歌手等々の大きな紙に描かれた似顔絵がたくさん貼り付けてあり、大人の人が群がっています。
いろいろ口上をのべながら、実演で小さな写真や雑誌の写真を基に、あっという間に大きい紙へ同じ絵がうっすらと描かれていくのですから子供でも驚きです。

 本題「拡大機」とは読んで字のごとく、絵を拡大するための道具です。では拡大するための対象となる絵とは?小さな紙に印刷された絵や写真を原画として、この上面を針(傷が付かないようになっている)のような物で拡大したいところをなぞるよう動かして行来ます。

 すると端に付けられた鉛筆が動き、竹で組み合わされた骨組みが、なぞる動きの数倍の動きとして拡大されて画用紙に「うっすら」と拡大されて書かれていきます。展示品として貼ってある拡大機で描いた絵も、商品のように売っていました。値段は分かりませんが、道具としての商材と共に実演で描いた副産物も、商品になるのですから面白い商売だったと思います。

 しかし子供の私には、あまり興味はわきませんでしたが、その単純な構造の仕組に不思議な魅力を感じていました。何で香具師の商品として売られていたか正確な情報は分かりませんが、その商品を扱っている香具師のおじさんの技術に魅了されます。

 そして最後の仕上に、陰影やぼかしのテクニックで立派な絵に仕上げされるのです。私はあまり興味がなかった物でしたが、私の兄が実際に買ってあったので自分でも真似してみましたが、全然うまくは書けず兄たちも途中で諦め、いつの間にか家の中から消えうせていました。

 この拡大率は幾通りか軸の支点を組み合せを変えることで、拡大率を変更できる優れものなのです。言葉ではなかなか伝えることが難しいですが、ネットで調べたらなんと、今も製品として販売されていました。興味がわき、実物を見てみたいと思いましたらインターネットで「伸縮自在器」で検索してみてください。メーカー品が出てきます。

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